新年の廟会
参拝、市場と休日の行楽
廟会(Miaohui、庙会)は、信仰、商い、娯楽を一つの集まりに結びつけるものです。新年の時期には、祝いを家庭の外へ広げ、寺廟の境内や周辺の通り、公共の場所を会場にします。訪れる人の目的は、加護を願うこと、祝いの品を買うこと、芸能を見ること、家族や友人と休日のひとときを過ごすことなど、さまざまです。
これらの活動が共に育ったのは、寺廟の行事が、予想できる時期に人々を同じ場所へ集めたからです。参拝者には線香や供え物が必要であり、訪問者には食べ物が必要でした。商人は集まる人々の中に買い手を見つけました。芸能者は、神と、儀礼に集まった人々の双方を楽しませることができました。宗教行事が、交易と娯楽の機会も生んだのです。
廟会は農村でも都市でも発達しました。村の廟会には近隣の集落から人々が集まり、都市では、宗教的な結びつき、市場、評判がそれぞれ異なる複数の廟会が成り立ちました。時を経て独自の特色を強める集まりもあり、商いと祭りの魅力が、もともとの寺廟の行事を大きく超えて広がりました。
新年の廟会ならではの特色
信仰の場として機能している寺廟では、一年の始まりは、平安、健康、加護、幸先のよい一年を祈る機会です。参拝者は供え物を持参し、許される場所で線香をたき、そこに祀られる神々に敬意を表します。祈りや儀礼の形は、寺廟それぞれの宗教的伝統によって定まります。廟会はこうした参拝をにぎやかな公共の場に位置づけますが、すべての来訪者が礼拝に参加するわけではありません。
市場には、この季節の願いや楽しみが映し出されます。戸口のために春聯や吉祥の書を買い、剪紙や灯籠で家を飾り、玩具や小さな工芸品を子どもへの贈り物にします。土人形、風車、色鮮やかな動物の飾りを持ち帰れば、行楽の思い出が家にも残ります。並ぶ品々は単なる日常の市場の商品ではなく、新年の目に見える風景の一部です。
食べ物も、人々がゆっくり過ごすきっかけになります。屋台では、歩いたり、芸能を見たり、合間に休んだりしながら食べられる軽食が売られます。北部の廟会では、サンザシを串に刺して飴で覆った菓子など、甘い食べ物がその例です。祭りの軽食を選び、作る様子を眺め、人混みの中で味わう楽しみが、廟会らしい休日の雰囲気を生みます。
芸能は、音と動きをもたらします。土地によって、獅子舞や龍舞、中国戯曲、曲芸、人形劇、太鼓、民俗舞踊などが披露されます。北部の一部の廟会では、高足踊りの演者が人々の頭上で演じる一方、民俗舞踊の一団が群衆の中を進みます。衣装、打楽器、演者の技によって、見慣れた通りが祭りの舞台のようになります。
こうした娯楽と信仰との関係は、一様ではありません。芸能は、神を敬うために奉納されることも、行列に伴うことも、主に一般の観客のために上演されることもあります。同じ集まりが、参拝者、演者、商人、休日の行楽客に、それぞれの機会を提供します。
それぞれの廟会の特色が生まれる仕組み
廟会の評判は、場所と、いつも参加する人々によって形づくられます。特定の神を祀る廟には、ある加護を求める参拝者が集まり、地域の商いが出店の内容に影響し、地元の芸能が行楽に欠かせない楽しみになることがあります。人々が再び訪れるのは、この組み合わせのためであり、どこでも同じような催しが並んでいるからではありません。
北京の廠甸廟会は、そのよい例です。琉璃廠の文化的な商いとの結びつきにより、食べ物、玩具、大衆芸能に加えて、書籍、書、絵画、骨董が重要な魅力となりました。品物を見て回り、買い求める場に、文人、収集家、商人、休日の人出が集まったのです。
現代の新年の廟会には、実際の寺廟の祭祀を伴わず、公園などで開かれるものもあります。廟会の市場、工芸、芸能の側面を受け継ぎ、あるいは形を変え、公共の新年の祝いとしています。昔の儀礼を舞台で再現することは公演であり、現に信仰の場となっている寺廟での礼拝とは目的が異なります。
新年の廟会に、共通の固定した旧暦の日付や期間はありません。それぞれの開催期間は新年の祝いの時期やその前後に設定され、個々の儀礼や公演は、その一部にしか行われないこともあります。伝統的な結びつきは、季節の集まりそのものにあります。皆で祝うにぎわいに加わりながら、来る一年への願いを託す機会なのです。