暦のコレクションを調べるための案内

暦のコレクションからは、さまざまな問いに答える手がかりが得られます。写本には、古い暦の構成が残されていることがあります。一枚の印刷物からは、広告主や地元の印刷業者、あるいは二つの暦法による日付を同じ紙面に配置した方法がわかることがあります。書き込みのある一部からは、その持ち主について何かを知ることができるかもしれません。そのため、まず資料そのものについて問いを立て、次に、現存するその資料を特定できる記録を確認することが、最も有用な出発点になります。

調査では、所蔵機関の目録記録、資料全体の画像、解釈の参考にした研究の三つをそろえておきます。それぞれの役割は異なります。目録記録は資料を特定し、画像は目で確認できる細部を示し、研究は歴史的な背景を説明する助けとなります。

暦資料を探す

写本と断片。 請求記号がわかっている場合は、それを使って検索します。請求記号は、図書館の蔵書の中で資料の所在を示す識別子です。句読点や記号も含め、正確に写してください。より広く探すには、「calendar(暦)」「almanac(暦書)」、暦の作成者の名前、関連する目録記録に付された主題分類などを試します。断片が、より大きな写本やコレクションの一部として目録に登録されていることもあるため、記述が資料全体を対象としているのか、そのうち暦に関する部分だけを対象としているのかを記録します。

版本と画帖。 製本された暦書、一枚物の版画、ばらばらの版画をまとめた画帖では、必要な記述が異なります。画帖の場合は、編成された画帖全体と、調査対象となる特定の一葉の両方を記録します。国の異なる暦は、それぞれ別の刊行物として比較してください。形式に共通点があっても、月の番号、日付の規則、行事まで同一とは限りません。

壁掛け暦と広告の一枚刷り。 資料の種類だけでなく、広告主、印刷業者、場所、年でも検索します。暦が、広告、ポスター、その他の短期間の使用を想定した印刷物に分類されていることもあります。印刷された中国語の名称と、当時の英語の商号は、異なる検索語になります。資料に両方が記載されていれば、どちらも記録します。

調査目的別のコレクション

資源調査に役立つ対象最初に使う検索語や記録区別しておく事項
International Dunhuang Programme敦煌の写本、断片、参加機関の記録「calendar」「almanac」、または Or.8210/S.2404 のような正確な請求記号で検索所蔵機関、発見地、収集の経緯
日本の国立国会図書館新城文庫の中国暦書、日本の絵暦の画帖暦コレクションの案内を確認し、目録で書名や請求記号を検索個々の版画、画帖、暦の伝統
シンガポールのコレクション・ポータル Roots暦、暦書の版画、地域の団体や商業に関わる資料「calendar」や団体名で検索。Tan Si Chong Su の暦の収蔵番号は 2023-00307資料の記録、コレクションの所有者、付随する歴史的解釈
Powerhouse Collection形態の記述や制作情報がある広告暦中国のたばこ広告暦、資料番号 96/254/3記された日付、暦の対象期間、博物館による収蔵
フランス国立極東学院のアーカイブ詳細な資料記述がある広告印刷物暦ポスター、参照番号 FR EFEO IC002/G/3共通の図柄と、現存する各部の状態

目録記録

信頼できる調査用の記述は、単に図柄の名前を挙げるのではなく、特定の資料を識別します。「中国の暦、1930年代」は、資料を見つけるための見出しにはなります。そこに機関名、参照番号、題名、年代に付された留保、形態の記述を加えることで、ほかの研究者にも役立つ情報になります。

暦資料を記述する際には、次の項目が役立ちます。

項目記録する内容重要な理由
機関と識別子所蔵機関、コレクション、収蔵番号または請求記号題名が似ていても、現存する特定の一部を識別できる
題名と資料の種類目録上の題名、印刷された題名、暦・暦書・広告などの種類目録の記述と、資料上の文言の違いを保つ
日付と年代制作時期、対象期間、書き込みの日付、収蔵日関係のない複数の日付や年代を一つの年にまとめてしまうのを防ぐ
人物と事業者画家、編者、印刷業者、出版社、広告主、頒布者と、明記されたそれぞれの役割目立つ会社名が、そのまま印刷業者の名前とは限らない
場所制作地、発見地、その後の収集に関わる場所資料の来歴の異なる段階を示す
材質と形態紙、印刷方法、寸法、装丁・表装、現存する葉元の一枚物、画帖の一葉、後世の複製を区別する助けとなる
状態と書き込み欠損、補修、手書きの文字、再利用の痕跡刊行時の意匠と、その一部が後にたどった歴史を区別する
記録と画像の権利記録の恒久的なアドレス、裏付けとなる刊行物、画像のクレジット、再利用条件調査をたどれるようにし、図版の利用条件を記録する

資料上の日付と目録の日付

一つの暦に、対象となる年、印刷日、持ち主が日付を添えた書き込み、コレクションに収蔵された日など、複数の日付が関わることがあります。それぞれがどこに記され、何を示すのかを明らかにして、別々に記録します。翌年用の暦が、その前年に印刷されている場合もあります。

現代の複製にも、古い暦の日付が印刷されていることがあります。印刷された年は、再現されている暦の年を示しますが、それだけで目の前の紙がいつ作られたかを特定できるわけではありません。同様に、推定された年代は推定のまま扱います。目録に「頃」「おそらく」、年代の範囲、疑問符などの留保があれば、そのまま残してください。

元号による年や、十干と十二支を組み合わせる干支で記された日付は、換算結果を加える前に原文を転記します。閏月の表示も含めて旧暦の月日を残し、その日付を解釈するために使った参照資料も記録します。そうすれば、後に換算を修正する必要が生じても、元の情報は失われません。

図柄と現存する各部

同じ図柄が、表装、書き込み、補修、欠損の異なる複数の部として残っていることがあります。調査している部について、その特徴を記述します。複数の部を比較するときは、印刷された意匠の変更と、印刷後に加えられた変更を区別します。手書きの注記、後の画帖への貼り込み、印刷された広告主名の違いは、それぞれ来歴の異なる部分に属します。

画像を使う

まず資料全体を確認します。次に、日付の欄、余白、刊記、裏面の画像があればそれも調べます。中央の人物像だけを切り抜くと、暦の年や商業上の情報が失われることがあります。写本の日付欄だけを切り抜くと、見出しや、作成者・日付を示す可能性のある末尾の記載である奥書が失われることがあります。調査ノートでは、各部分画像と資料全体との対応を保ってください。

印刷された文字と、後から手書きで加えられた文字を区別します。書いた人や日付がわからなくても、注記自体は確認できる場合があります。画像が小さすぎて文字を判読できない場合は、予想される定型句から補うのではなく、読みが不確かであると記します。

調査用の図版一式には、切り抜いていない参照画像を残し、別に見出しを付けた部分画像を作成します。画像が表面、裏面、特定の一葉、資料の一部分のどれを示すのかを記録します。歴史資料として使う画像から、破れ、しみ、後の書き込みを断りなく取り除かないでください。それらは元の意匠を見えにくくしていても、対象となるその部の一部です。

画像を入手できることと、再利用の許可があることは別の問題です。目録の文章、写真、写された資料では、再利用条件が異なることがあります。実際に使用する画像に付された条件を確認し、クレジットを残し、公表前に必要な許可を得てください。

西暦1–2100年

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